見習い兵士 イグナイの場合 【第3話】

【第3話】魂の叫びを聞け!

惨敗だった・・2035年の剣術とは違い。その動きは精妙だった。強化された肉体は頑丈だが・・危機感に欠けるのかもしれない。
まさか6世紀も前の自分の先祖に歯が立たないとは・・この時代の人々は栄養価のない食事のわりに頑強なからだをしている。

幸村「ほうほう・・大体わかったが・・しかし珍妙な剣術だのう。面白い!未来もまだ人の世に剣術があろうとはの。興味深い」
  「おんし、どこでそれをならった?」

イグナイ「この世代にどう説明していいかわからないが・・大陸の帝国軍の特殊部隊だといえば理解できるだろうか?」

幸村「ほうほう、軍とな_?まあ忍びのものみたいなもんかの?」

イグナイ「まあそうだ。そこで電磁波ホットナイフを、日本の長刀風に改良してもらったものだ。
     強化セラミックでも切れるわざものなんだが・・」   

    「ご先祖様よ。まだ名前を聞いていないな・・なんとお呼びすればいい?」

幸村 「そおうじゃったの・・名乗り遅れるとはワシもちとこの召喚式とやらが成功するとは信じておらなんだのでの。
    真田信繁と申す。上田郷士真田家の次男。今は上杉の人質の身よ。」

イグナイ「さ真田といったか?あのゲームとかで有名な怪しげな武将が先祖だったとは・・」

幸村 「『げえむ』とな?わしゃどんな風に後の歴史に名をのこしたんじゃかのお・・とても歴史に語られるような大事を
    成し遂げれるとは想像がつかん・・」

イグナイ「俺は井具内 四門という・・おふくろ方は、種子島のでだが・・父方はよく知らん。真田というのかなあ・・」

幸村 「してわしゃあ、どういう風に有名なんじゃ?おしてくれんかのう?」

イグナイ 「詳しくは知らん。のちの戦の最後の大戦の時だけ頑張った人物として伝えられている。それが物語の源泉となり
      小説や、漫画、ゲームといった創作物のキャラクターとして描かれることがおおいんだが、これは驚いたW」

幸村 「なんじゃそりゃ、猿楽の役者が演じておるような感じなのかのう。やはり大したことはしておらぬのか・・」

イグナイ「まあ詳しく言うと歴史が変わるかもしれん。それはそうと御剣流とは、大したもんですね・・それにその日本刀かなりの
     技物のようだ。」

幸村 「この時代では中の上、といった刀工の作だが、未来の剣と渡り合えるとは、世の中あんましかわっておらんようだの」

イグナイ 「私の力はあなたより劣っているようだが・・それでも私に成し遂げれれるのでしょうか?」

幸村  「いあそうでもない・・わが剣術と互角に渡り合えるだけでも大したもんじゃ・・それに時折見せる鋭い斬撃光を放つような輝きが見える」
    「おんしは、御剣老子と同じ技が使えるようだの。人の身を超えた魂の叫びのような輝き・・その力をもっとつかいこなすんじゃ」

イグナイ「ふむ・・ここで修業をせよとおしゃるのか?」

幸村 「そうじゃのう。わしからせめて一本取れるようになってもらおうかの。」

イグナイ「ふむ。こんな楽しい剣術の稽古は久しぶりだ。存分にお相手願います。」

幸村 「まあ論より証拠じゃの。とりあえずまず攻撃を確実にあてるようにんれんとな。では参る!」

こうしてご先祖様との珍妙な修行が、始まった。

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